ゆきちゃんの名前の由来

猫のお母さんに子猫を預かってもらって、3日後ぐらいかな、子猫を迎えに行きました。

 

その子猫の名前は「ゆきちゃん」と決めていました。それには理由があって、実は高校の時に数ヶ月間子猫の世話をしていたことがあります。今でも思い出すと相当に無責任な話なのですが…。

 

当時、高校が家から通えない距離だったため寮に入っていました。そこでの生活も早三年、受験を控えた年でしたが、ある日小さな子猫がやって来ました。なぜ子猫がその寮に来たかというと、数日前に他の寮生何名かが一度保護して寮でご飯をあげたそうです。でも飼ってあげることができないから元いた場所に戻したそうなんです。ところがその子猫、数日後に寮に戻ってきました。その子猫の可愛らしさと、きっと一生懸命探して寮に戻って来たことを考えると、無計画にもほどがありますが自分が世話をすると言いだしました。

 

携帯電話もネットもまだない時代、情報収集の手段がそれほどなくて、避妊や去勢の知識もなく猫なんてなんでも食べるんだろうしトイレもどっかでできるんだよね?ぐらいの認識しかなく、唯一の情報源はクラスの猫飼ってる女子しかいませんでした。本当にあの猫に申し訳ない。

 

そこの寮の管理人は近所でスーパーを経営するまだ30代ぐらいの血気盛んなお方(奥さん美人)で、高校の時は空手が相当に強くて、県内では大会に出ると「優勝」「優勝」「準優勝」「優勝」という感じの歴戦の猛者だったそうです。時代が違いますから、僕らが夜中にこっそり寮を抜け出してカラオケなんか行ってそれがバレた日なんかは全員並ばされて(連帯責任で行ってない寮生までw)、一人ずつパンチのきいたビンタを頂いたものです。ですから猫を寮で世話するのもかなりのリスクを追うことになるのですが、田舎のアホ丸出しな高校3年生はそこまで頭が回らなかったりしたのです。

 

そうしてその子猫を世話するようになり、いつでも出入りできるようにと、学校行っている時は少しだけ窓を開けて行くようにしました。部屋にはカリカリなんかが置いてあったので、ある日学校から帰ると知らない猫がカリカリを食べ散らかしている現場を目撃することもありましたが、寮管(空手の達人の寮の管理人)に見つかることなく数ヶ月過ごすことができました。

 

その子猫が来たのがもう秋口だったので、毎日夜は布団で一緒に寝ていました。一度だけ2日ほど帰ってこなくて学校行っても気が気ではなかったものでした。僕の部屋は二階だったけど、猫は隣の建物の一階の屋根をつたって入って来られるつくりでした。帰って来なかったその2日間はすでに寒くなっていましたが、いつでも帰れるように猫が入れるぐらい開けて寝てました。そうすると3日目でしょうか、夜中に突然戻って来てくれたのですが意識朦朧としている中で布団に潜り込もうとしてくる物体にかなり驚かされました。

 

ねこが来たのが秋頃、帰って来なかった2日間はすでに冬、そしてすぐ春にもなり、僕は受験に失敗しました。予備校に通うことになり、退寮の日が来ました。当日、僕は猫をほったらかして寮に置いて出て来ました。

 

また、その猫をひとりぼっちにさせてしまいました。なぜそんなことができたのか、今ではあまり覚えていません。きっと都合が良くないから思い出さないようにしていて、記憶が薄れてしまったのだと思います。

 

なんとか後輩や寮母さんが面倒見てくれて、最終的に寮母さんが自分の家に連れて行って世話してくれることになり、雌猫でしたが、そこでたくさんの子供を産んだことを数ヶ月後に知りました。寮に残っていた後輩と連絡を取ることもあり、そんな嬉しい知らせを聞くことができました。寮母さんはその猫を「ゆきちゃん」と名付けたことを聞きました。

 

普段自分は「マーブル」という、猫を飼っているクラスの女子が名付けてくれた名前で呼んでいましたが、実は僕はその名前をあんまり気に入ってはなかったという…。

 

初代ゆきちゃんと僕

 

そうして重ね重ね無責任ですが、次に動物を迎えることがあれば、僕も「ゆきちゃん」と名付けて最後まで一生面倒をみようと思ったのです。なので、今うちにいる猫の名前は「ゆきちゃん」なのです。

 

 

 

 

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